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Channel: てつさんの道楽モノ日記
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御巣鷹の尾根 慰霊登山。

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日航機墜落事故から30年目の今年。


以前から行きたいと思っていた墜落現場である御巣鷹の尾根へ慰霊登山に行ってきました。


群馬県上野村です。





道の駅のスタッフの方に慰霊登山に行きたいと場所を聞いてみたところ


道の駅から更に山奥へ、車で40分かかる場所に登山口があるとのこと。


御巣鷹の尾根に行く前に道の駅近くの「慰霊の園」に寄ることにしました。





ここは県道から少し入った場所にあり、高齢になった遺族の方で体力的に慰霊登山が出来なくなった方はここを訪れるとのこと。


お参りして、御巣鷹の尾根を目指します。





今でこそ車で40分で登山口まで行けるようになりましたが、事故当時は片道六時間かかったそうです。





登山口に到着しました。





杖が置いてありまして、有り難く借りることにしました。





登山道は高齢になった遺族の為なのか、手摺が整備されていました。





途中





墜落現場の説明が


墜落した地点から機体は2つに分かれ、A地点とB地点に滑り落ちたとのこと。





地図が置いてありまして、墓標の位置等が書いてあります。この後この地図が本当に役にたちました。





それしても傾斜が急です。今は登山道が整備されていますが、事故当時は道なきこの急傾斜を救助隊やマスコミが登ったのでしょう。





至るところに熊よけの鐘がありました。





機体後部が滑り落ち、四人の生存者が見つかったスゲノ沢の分岐がありました。


この辺りからたくさんの墓標がありました。


これだけ写真撮っておいて言うのもなんですが、個人の墓標の写真を撮ることに対しては抵抗があったので、墓標の写真はありません。





機体後部が滑り落ちたスゲノ沢です。


たくさんの墓標がありました。





胸が詰まります。


登山開始してから30分。





墜落現場に到着しました。


目の前の山の一部がえぐられています。





これが通称「U字溝」。墜落直前に機体の右翼が山をえぐったそうです。


事故から30年経っているのに、はっきりと分かります。





観音様横の小屋には写真や遺族の方のメッセージ等であふれていました。


この上には機長の墓標もありました。


ボイスレコーダーが発表される前は、機長の責任追及の声が強かったことを覚えています。


500名以上の命を預かった状態で、全く操作が出来なくなった機体を30分間動かしていた極限状態を思うと…。





事故で燃えて黒く炭化した木が至るところにありました。





時間が許す限り、地図を基に出来るだけ多くの墓標をまわろうと思いました。


その中に、「大島九」と書かれた墓標がありました。これは歌手の坂本九さんの本名とのこと。


まだ9才の子供の墓標もありました。


聞くところによると、PL学園の応援をするために甲子園に向かう途中だったとのこと。生まれて初めての飛行機だったそうです。


生きていたら私と同級生です。


この子はあの日人生を断たれたけど、私は好きなモノを食べ、好きな服を着て、好きな場所へ出掛けています。


何だか自分がのうのうと生きているように思えました。


520名の人生がこの場所で断たれ、家族や恋人、亡くなられた方に関わる多くの方の人生が変わったのでしょう。


そして私は


この場所を訪れて、今まで以上に


「生きたい。」と強く思いました。


犠牲になられた方


墜落するまでの30分間


さぞ不安だったでしょう。


怖かったでしょう。


高度を下げていく機内で、メモ帳に遺書を残した人もいました。


「こわい」「死にたくない」「家族を頼んだ」「愛している」「幸せな人生だった」「ありがとう」「さようなら」


さぞ無念だったことでしょう。


出来る限り墓標に手をあわせました。


山の至るところから線香のかおりがしました。


この山は「神聖な場所である」と書いてある看板を見かけました。


すごく不謹慎な表現かもしれませんが


日頃スピリチュアルなんて全く信じない私が


スゲノ沢の水のみ場で沢清水を飲んだ時に


何かが自分の中に宿ったような感じがしました。


何かは分かりませんが


私にはそれが非常に「暖かいもの」に感じました。


亡くなられた方の分までというと大袈裟になりますが


私はこれからも自分のこの「与えて頂いた人生」を精一杯生きたいと思います。


杖に書いてあった言葉





空の安全を祈念するとともに


犠牲になった方に慎んで哀悼の意を表します。







ではでは。









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